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不育症と着床障害のポイント解説

院長のブログにて連載中の内容を転載しました。

早く授かるためのタイミング治療のため、
基礎体温を記録されている方は
多いと思います。

排卵の確認(二相性)と
排卵時期の推測には有用だからです。

しかし、
妊娠がわかった後の
基礎体温の記録には害のほうが多い
と思います。


20年以上前の医療現場では、
妊娠検査薬が市販で手に入らなく、
その感度と精度も悪かったため、
基礎体温の記録が頼りだったのです。

今では、排卵(受精)後14日過ぎれば、
市販の妊娠薬により
朝一番の尿検査で、ほぼ判明します。

その後の経過も、朝一番尿の検査の
濃度の変化で、よくわかります。


基礎体温の記録は、
妊娠経過の判定として
ほとんど有益ではなく、
反対に、
その体温の微妙な高低を
意識しすぎることによって、
ストレスになることが多いのです。

それが、ひとつの流産の原因
になっている可能性もあるのです。


妊娠したら、
精神活動は控え目に、
身体の活動はほぼいつものように。

水分だけは 1日1.5リットルぐらい
こまめに補給を。
卵は半分異物(夫由来)です。
免疫系は
異物と、異物化した細胞(癌、感染)を
受け入れません(攻撃します)が、
通常、
卵については、受け入れています。

その理由の全容は、まだ 「なぞ」 です。

2015年11月号の 「サイエンス」 という
世界で最も権威のある 科学誌 に、

「寄生虫と妊娠のびっくりする関係」 

報告されました。

寄生虫に感染していない婦人に比べて、

回虫に感染している婦人は
妊娠、出産率が高く、

十二指腸虫に感染している婦人は
妊娠、出産率が低いのです。

世界の10億人以上が何らかの寄生虫に
感染していると言われています。

考えてみれば、
寄生虫って、あまり悪さをせずに、
多くの人間の腸内に寄生してますが、
卵も子宮の中で寄生しているわけですね。

回虫と十二指腸虫に対する
免疫系の対応の違いが
卵を受け入れる免疫系と、
卵を受け入れない免疫系の姿
を教えてくれる可能性があるのです。

同様な研究として、
エール大学の生殖免疫学者の
ギル モア教授は、
「人間の身体の常在菌が
妊娠維持には極めて重要である」
という結果を報告しています。

当院の免疫調節療法のひとつとして
使用している
ピシバニールとは、
ストレプトコックス・ピオゲネスSu株を
ペニシリンと熱処理後に凍結乾燥した
病原性のない菌体製剤です。
超音波写真があれば見てください。
計測してあれば、
GS 何mm、 CRL 何mmと印刷されています。

GSとはgestational sac の略で、
「胎嚢」 と言う意味です。
胎嚢は赤ちゃんが入ってくる袋なのです。
妊娠4週末から妊娠5週には見えるはずです。

妊娠5週から妊娠6週には、
「胎嚢」 の中に小さなリングが
見えてきます。
それが「卵黄のう」 です。
「卵黄のう」は非常に大切です。
赤ちゃんが発生するための
栄養タンク(貯金箱)なのです。

別名、エンジェルリング
と呼んでいる方もいます。

CRL とは、crown-rump length の略で、
「頭殿長」 という意味です。
赤ちゃんの頭部から殿部までの長さです。
妊娠6週ぐらいから
数mmの赤ちゃんが心臓の拍動とともに
見えてきます。

ちなみに、
予定の生理日の第1日目が妊娠4週0日
となります。生理が1週間遅れていれば、
妊娠5週0日となります。

診察して、超音波の写真を渡すだけで、
詳しく説明してくれない先生は、
おなかの赤ちゃんにとって、
あまり良いとは言えませんよね。
卵が子宮の中で育つ場所は、
子宮内膜という粘膜の中です。

子宮内膜の中は、
やわらかいスポンジのような状態です。

その中には、
約120本のラセン動脈が
隅々まで栄養を供給するため、
とぐろを巻いて、
密集しているのです。

その大切なラセン動脈は、
黄体ホルモンの低下や、
交感神経系の緊張で
すぐに細くなってしまうのです。

ですから、胚移植後や妊娠後に
こころがピリピリしていると、
卵に栄養が行かないのです。

これには、血管の中をサラサラにする治療では
効果がありません。

ホルモン補充療法と
精神(薬物)療法が有効です。

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