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不育症と着床障害のポイント解説

院長のブログにて連載中の内容を転載しました。

体外受精の技術によって、
受精から胚の成長までは
科学的に解明されつつあります。

しかし、胚を移植して妊娠確定までの期間は、
その発育過程がほとんどわかりません。

神の領域です。

精神、免疫、ホルモン、凝固、子宮形態などと、
ときに運命が
密接に関係しているのです。

学問としての医学だけでは説明できない
場合もあります。
医学の実践ではなく、
哲学的な要素も交えた医療
が必要であると思います。
アラフォーになり、
度重なる体外受精の結果、
お腹の子が、
やっと妊娠6週過ぎまで順調に育ったのに、
流産してしまった。

原因は卵の質が良くなかったから、
お腹の子がそこまでしか育たない
何かを持っていたからと言われた。

はたしてそうでしょうか?
流産した赤ちゃんの染色体検査をしていれば、
ほぼはっきりわかったのですが。

統計的に
染色体異常の確率は約7割ですので、
約3割は染色体正常な子、
つまり、
約3割は子宮環境に問題があり、
その問題を予防できていれば、
助けられた可能性があるのです。
国際医学用語では
Recurrent implantation failure と言われています。
直訳すれば、反復する着床の失敗(不完全)です。

ですから、
着床障害=反復着床不全
と考えてもいいように思います。


繰り返し良好胚を移植しているのに、
妊娠成立しないか化学流産するのは、
卵の異常以外に、
子宮内膜の環境の異常があるのです。

3回以上、良好胚の移植が失敗(不完全)ならば、
子宮内膜に問題がある可能性が高く、
着床障害と考えられます。
新受精卵診断とは、
体外受精した受精卵を子宮に戻す(移植)前に、
その一部を取り出して、
すべての染色体の異常の有無を調べる検査です。

正式には
アレイCGH法による着床前スクリーニング
と言います。

従来の限定的な検査(着床前診断)ではないので、
わかりすぎるための倫理的な問題があり、
現在、日本の学会は禁止していますが、
2015年から臨床研究として
開始されるかもしれません。

流産を2回以上繰り返す女性や、
体外受精・胚移植に3回以上失敗した女性
などが対象です。

不育症や着床障害のなかで、
運命的な卵の質・老化による
流産や不成功の確率が減らせるならば、
価値あるものと思われます。

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