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不育症と着床障害のポイント解説

院長のブロブにて連載中の内容を中心に転載しました。

子宮はニワトリの卵ぐらいです。

膀胱と直腸の間にあります。

ほとんどが筋肉の塊です。

中は空洞で子宮内膜という
受精卵を育てるベッド
でおおわれています。

子宮内膜のベッドは卵巣からの
女性ホルモンで育ちます。

子宮の中は
膣腔を経由して外気と通じているため、

子宮の内膜には、
鼻の粘膜のように、

免疫細胞が多数集積しています。

その免疫細胞が
何らかの刺激で暴走すると、
受精卵(半分異物)を
攻撃してしまうのです。

また、子宮内膜には、
子宮動脈から
約120本のラセン動脈という
らせん状の細動脈が流れており、

その直径は妊娠初期に
約0.05mmと細く、
その血管壁は
神経線維と筋肉細胞で
構成されているため、

過剰なストレスにより
ラセン動脈が収縮して
虚血が起こってしまうのです。

ですから、
不育症と着床障害の検査として、
「同種免疫」と
「生殖ストレス」の状態
の検査が大切なのです。

検査項目については、
当院のホームページの
「治療内容」の中の
不育症・着床障害の検査項目」と
生殖精神分析
をチェックしてみてください。

原因不明不育症患者では、

健常者に比べて、
Th1免疫細胞/Th2免疫細胞
の比が高く(Th1優位)、

夫リンパ球免疫治療すると、

多くの例で
Th1/Th2細胞比が低下して、
低下した患者さんでは、
有意に高く妊娠維持に成功した
という報告が2000年にありました。
(Am J Reprod Immmunol)

Th1細胞は、
インターフェロン・ガンマ(IFN-γ)
という物質を分泌して、
ナチュラル・キラー(NK)細胞等を活性化し、
細菌やウイルスなどの異物を攻撃します。

Th2細胞は、
インターロイキン4(IL-4)
という物質を分泌して、
B細胞を活性化し、
花粉やダニなどのアレルゲンに反応します。

当院では、開院時より、
Th1/Th2細胞比の検査より
さらに信頼性の高い

インターフェロン・ガンマ(IFN-γ)と、
インターロイキン4(IL-4)の
高感度 精密 定量 検査を
行っています。


タクロリムスは、

ステロイド以上の
強力な免疫抑制薬であり、
腎臓などの臓器移植における
拒絶反応を抑制する薬として、
近年、開発されました。

反復着床不全(着床障害)の患者さんで、

Th1/Th2細胞比が高い場合、

移植前より妊娠成立までの期間に、
タクロリムスを服用すると、
少数例の研究ですが、
妊娠率が有意に高かったという報告が、
2015年にありました。
(Am J Reprod Immmunol)

理論的にも魅力的な
臨床研究結果ですが、

2018年7月改訂の
日本の医薬品添付文書(公文書)では、

「警告」 として、

「本剤の投与において、
重篤な副作用により、
致死的な経過をたどることがあるので、
緊急時に十分に措置できる医療施設
及び本剤についての十分な知識と経験
を有する医師が使用すること。」

と書かれていますので、
十分な注意が必要と考えられます。

当院では、免疫検査で
免疫抑制が必要と判断された場合、

子宮内ステロイド洗浄治療と、
ステロイド内服(10mg~15mg/日)治療
を行っています。

他院で不成功が続いている
難治性不育症、
難治性着床障害
の方への治療の一つとして、
良い成績を得ています。

赤ちゃんは 花、
受精卵は 種、
子宮は 土、

と考えてみてください。

花が咲かない原因は、

ザックリ、一回につき、

種の原因が 7割、
土の原因が 3割
です。


2回、種をまいて
2回とも花が咲かないのは、

種の原因が
7割×7割=約5割です。
土の原因が
残りの約5割です。

3回、種をまいて
3回とも花が咲かないのは、

種の原因が
7割×7割×7割=約3.5割です。
土の原因が 
残りの約6.5割です。


種の原因は、

ほとんどが偶然の異常であり、
種の中身
(染色体)
を検査すれば、よくわかります。


土の原因は、

土の水はけ
(甲状腺機能、自己免疫、生殖心理)、
土の害虫
(拒絶免疫)、
土の肥料
(生殖免疫)、
土の硬さ
(プロラクチン、性ホルモン)
土の中の石
(子宮筋腫)
を検査すれば、よくわかります。


不育症、着床障害の原因は、
卵(種)の異常だけでなく、
子宮(土)の異常も多いのです。

ただ、子宮の異常は複雑ですが・・・。

最近、
慢性子宮内膜炎が
一つの話題になっています。

そのきっかけの一つが、
ブログNo.541で紹介した論文です。

子宮内膜液の遺伝子検査で、
無症状の人の子宮内膜にも
細菌が存在しているという内容には
驚きました。

膣内に細菌がいることは
教科書レベルではっきりしています。
そのほとんどが病原性のない常在菌です。


40年以上も前から、
病的な膣炎は、
不育症の原因ではないかと
多くの研究がされましたが、

結局、
一時的な流産の原因ではあっても、
繰り返す流産の原因ではないと
考えられています。


子宮内膜液の遺伝子検査でも、
細菌のほとんどが
乳酸菌という常在菌であり、

それ以外の細菌の遺伝子は
見つかっていますが、

その病原菌?が、
どれほど悪影響があるのかは
まだ不明です。


子宮内膜液の遺伝子検査以外の
以前より行われている検査では、

子宮内膜の表面を
子宮ファイバーで見るか、

子宮内膜の組織を採取して、
細菌培養して細菌を見つけるか、

子宮内膜の免疫組織染色検査で、
形質細胞(CD138陽性)を見つけるか、
の検査になります。


形質細胞は
免疫細胞のBリンパ球が分化した細胞であり、
同種免疫の液性免疫の担当細胞です。

この場合の形質細胞については、
子宮内膜という 「粘膜の免疫」
の細胞ですから、
形質細胞が悪さをしているとは
必ずしも言えません。
「粘膜免疫」 では、
分泌型IgA抗体を産生しています。

実際、正常なヒトの鼻粘膜や腸管粘膜に
多く存在しているのです。


粘膜の形質細胞は
自分の異常な細胞や死んだ細胞を
排除したり、
細胞の新生を調節したりする
良い働きもしているのです。

 

慢性子宮内膜炎の診断根拠と、
その炎症の程度にもよりますが、

対象となる方には、
強力な抗生物質治療、
あるいは、
大量の乳酸菌補給治療、
が効果的かもしれません。


ただ、
「無菌性炎症」 も含めて、
高度な炎症状態であるならば、

免疫細胞が攻撃的な状態ですから、

詳しい同種免疫検査の上、
対応した免疫的な治療が
さらに効果を高める
と考えられます。

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