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不育症と着床障害のポイント解説

不育症・着床障害のブログにて連載中の内容を中心に転載しました。

hCGというホルモンが検出されれば、
生物学的妊娠(化学流産)なのですが、

血液の精密検査では、
胚が着床中ならば
予定生理日の4日前にβhCGが検出されます。

また、朝一番尿の検査では、
胚が着床完了していれば、
予定生理日ぐらいにhCGが
検出(妊娠反応陽性)される場合が
多くあります。

 

欧州生殖医学会では、
生物学的妊娠(化学流産)においても、

一般的な流産と同様に、
回数が増えるほど出産率が低下する
という報告に基づいて、

生物学的妊娠(化学流産)も
流産回数に含めるとしています。

東京都では、
令和2年1月より、
不育症の助成金事業が開始されています。

東海3県でも、一部地域で
医療費助成が行われています。

一日も早く、
名古屋市も含めてすべての地域で
不育症助成が広がることを願っています。


ちょっと心配なのは、
まだ、日本において、
「不育症の定義」がわかりにくい点です。


日本産科婦人科学会編集の
2018年5月発行・
産科婦人科用語集・用語解説集
には、
「不育症とは、
生殖年齢の男女が妊娠を希望し、
妊娠は成立するが流産や死産を繰り返して
生児が得られない状態のことであり、
recurrent pregnancy lossに対応する用語」
と、解説されています。


注意すべき点は、

現時点で日本では、
化学流産は流産の回数には含めない点です。

化学流産とは、
医学的に 「生化学的妊娠」
のことであり、
胎のうが確認されず、
hCG検出のみをもって診断される妊娠が
自然に終結し、
流産とみなされるものです。

ただし、

現在の夫婦(事実婚含む)間で、
流産が連続していなくても、
また、出産歴があっても、
2回以上の
流産および死産もしくは
早期新生児死亡の既往があれば、
「不育症」
と考えられています。

根拠は、
2013年の米国生殖医学会と、
2017年の欧州生殖医学会の
「recurrent pregnancy loss」の定義
に基づいています。


不育症の定義の理解が
助成金申請の助けになることを
心から願っています。

世界で最初に不育症が注目されたのは、
1954年の 「ストレスと習慣流産」
に関する論文です。


近年、やっと日本でも
TLC治療が注目されてきました。

TLC とはTender Loving Care、
テンダーラビングケアの略で、
愛護的ケアと訳されます。


1984年に、
ノルウエーの産婦人科医が
支持的精神療法(psychological support)
のことを別名として、
わかりやすく
TLCと命名したのです。


TLCとは、
患者さんに
信頼感と安心を与えるための技法と態度
のことです。

精神医療の基本ですが、
こころに向き合うやさしさと、
知識と経験が必要な技術です。

「先生に力をもらった気がする」
と、感じてもらえることが
TLC治療なのです。


詳しくは、
「TLC、流産」
で検索して、

5. 愛護的ケア(TLC: Tender loving care)
を、クリックしてください。

私が、日本産婦人科医会の依頼で、
一般産婦人科医に知っていただきたい
トピックスとして、
TLC治療を解説してあります。


当院では、
開院した2008年より、
支持的精神療法(別名、TLC)と、
身体的原因の治療を
併用して治療しています。

当院のTLC治療の概要は、
ホームページの治療方法の中の
「支持的精神療法」に説明してあります。

不育症と着床障害の検査のなかで、
抗リン脂質抗体(約9種類)と、
プロテインS、第12凝固因子が、
よく調べられています。

異常値ならば、胚、胎児のまわりに
血栓ができやすく、
妊娠の継続ができにくくなるのです。


どこまで調べる必要があるのか、
治療はどうするのかは、
担当医師の専門知識と治療経験により、
また、患者様の状況と希望により、
実際は、まちまちです。


また、検査値の異常のレベルによって、
治療方法が違ってきます。


一般的には、
抗リン脂質抗体が弱~中程度陽性、
プロテインS、第12凝固因子が弱低値ならば、
まずは、アスピリン単独治療がお勧めです。

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