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不育症と着床障害について

不育症と着床障害のポイント解説

院長のブログにて連載中の内容を転載しました。

原因がわからないまま、
不育症・着床障害の治療として、
低用量アスピリン
(バファリン、バイアスピリン等)が
時々処方されています。

なんとか妊娠維持してほしい気持ちは
よくわかりますが、

9件の臨床研究(対象1228名)を
まとめた国際論文(2014年)では、
原因不明の不育症には、
低用量アスピリンは 「効果なし」 でした。


低用量アスピリン治療は
1錠を飲むだけですから、
抵抗感はありませんが、

抗リン脂質抗体陽性か、
血栓性素因がないかぎり、
治療効果がないだけではなく、

副作用として、
出血のリスク(血腫等)がありますので、
十分注意してください。


詳しくは、
「抗リン脂質抗体症候群合併妊娠の
診療ガイドライン」
2016年、南山堂
を参照してください。
私もパネリストとして参加しました。

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知ってほしい不育症

「不育症戦記(作/楠 桂)」(2010年3月19日発売)に寄稿した内容を現在の情報に改編しました。
不育症で悩んでいる人、不育症に関心のある人、また、流産を経験された人、これから妊娠されようとしている人に、読んでいただきたいと思います。

きちんと知りたい不育症

赤ちゃんを授かったにもかかわらず、流産や死産で失ってしまうのは悲しくつらいもの。
それを繰り返す「不育症」について、まだまだ知られていないのが現状です。
不育症の原因(危険因子)や治療法、ストレスとの関係についてお話しします。
主婦の友社『赤ちゃんが欲しい』35号(2008年4月発行)に寄稿した内容を現在の情報に改編しました。
もしかして不育症なのかな?と思ったら読んでみてください。

不育症と着床障害の原因には、
身体的因子だけではなく、
精神的な因子も存在しています。

実際に多くの患者さんと接していると、
治療のためには、数値では説明できない、
何かが大切であると感じられます。

この何かが精神的因子であるのです。

反復流産クリニックを受診する患者の
約30%は抑うつ状態~うつ病である
との報告(Klock, S.C. ら、1997)や、
反復流産クリニックを受診する患者の
不安レベルは精神科の外来患者の不安レベル
に近いとの報告(Craig, M. ら、2002)
もあります。

当院のある一日の不育症初診6名につき、
精神科専門医が日本版BDI-IIにて
調査したところ、
3名が軽症うつ病と診断されました。
人体発生学から見て、
発生9日目頃(妊娠3週2日)(胚盤胞移植4日目)
には胎盤になる絨毛細胞の組織内に腔隙が出現し、
子宮内膜のラセン動脈~毛細管と交流し始めます。

ラセン動脈の血管平滑筋細胞層は
母体の交感神経の影響下にあります。

つまり、母体がストレスにより
過剰な緊張状態にあれば、
ラセン動脈が収縮して
胚に十分な酸素を供給できません。

この危険を少しでも回避するためなのか、
妊娠4週頃より子宮内膜内の絨毛細胞が
ラセン動脈内に浸潤し、
妊娠16週頃までに、
血管平滑筋細胞と
ほぼ完全に置換してしまうのです。

これにより、
妊娠16週以後については、原則、
胎児―胎盤系は
母体の神経支配を受けることなく、
血管を拡張して酸素に満ちた血液を
吸収できるのです。

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