クリニックでは、日々の診療や電話・メールにての関わりが主になります。
診療の場以外でも、皆さんと一緒に不育症・着床障害のことを考えていきたいと思っていました。
そこで、不育症・着床障害を克服することをテーマとし、親しみやすい名称「青クリの会」を立ち上げました。
不育症・着床障害の原因は、基本的に、卵の問題と子宮内環境の問題に分類されます。
卵の異常については、「不育症」の場合、平均して100の妊娠中、約20あり、
「着床障害」の場合、平均して100の胚移植中、約60あると考えられます。
この部分は運命的な流産あるいは着床不成功として受け入れるしかありません。
子宮内環境の異常については、「不育症」の場合も「着床障害」の場合も、
卵を育てるのに不都合な子宮内環境を見つけ、それを治療することになります。
この子宮内環境とは、ホルモン系、免疫系、凝固系だけに止まらず、 精神・神経系の影響下にあるのです。
ですから最良の治療方法は、 身体と精神の両面から治療することと確信しています。
青クリの会では、特に精神的な状態を理解することの重要性を図解しながら質問にお答えします。
20回目の会を最後として、いったん定期的な講演会は終了させていただきます。
ここ最近は、生殖医療をとりまく医療の進歩から「不育症」「着床障害」が広く認知されるようになり、情報が得られやすい時代となりました。
そのため総論的というより、生殖医療における当院の位置づけや具体性をもった各論的な内容でお話をさせていただくことが、より時代のニーズに合っているのではないかと考えるようになりました。
そのため今後は、受精卵や赤ちゃんを迎え入れる子宮内環境を居心地のよい状態にすることに特化した、当院について深く知っていただく「青クリ説明会」に移行していこうと考えます。