胎盤になる絨毛細胞は、胎児側の細胞ですから、母体から見て、夫由来の半分異物細胞ですが、子宮の中で増殖するために、あなたの子宮内の免疫細胞と情報交換をしています。 絨毛細胞は特殊であり、hCGという性ホルモンと、コロニー刺激因子(CSF)という細胞の分裂増殖を助ける物質を多量に分泌しています。 絨毛細胞は、hCGの影響下で、母体からの免疫的攻撃を免れており、子宮内のマクロファージ免疫細胞等をほ ど 良 く 刺 激 し て、さらに多量のコロニー刺激因子(M-CSF, GM-CSF等)を分泌させています。 コロニー刺激因子は、まるで子宮の栄養素のような働きをしているのです。 マクロファージは重要な免疫細胞であり、子宮内膜の免疫細胞の約20%あります。ナチュラル・キラー(NK)細胞が約70%、T細胞が約10%存在していると報告されています。 GM-CSF入りの培養液を使うと、胚の培養成績が良いという報告もあります。 当院では、10年前より、M-CSFを測定しており、その結果をもとに治療を行っています。