ステロイドは1948年に開発され、タクロリムスは1993年にステロイドより強力な免疫抑制剤として開発されました。 薬の胎児への移行性(胎盤通過性)について、プレドニゾロンというステロイドは胎盤をほとんど通過しませんが、タクロリムスはヒトで胎盤を通過することが報告されています。(Br. J. Clin. Pharmacol. 76(6): 988, 2013) ステロイドについては、必要量をコントロールしやすく、健康な妊婦さんへの投与例は世界的に多数あり、胎児への長期的な影響も問題ないようですが、タクロリムスについては、健康な妊婦さん(臓器移植を受けていない)への投与例は現時点でわずかですので、長期的な母児への影響が不安です。 妊婦さんへのステロイド治療について、私は30年以上の治療経験があり、副作用も含めて、最良の治療効果を得る技量を持っていると思っています。