不妊症の大きな原因に卵管閉鎖があります。クラミジアなどのよる炎症が原因で、卵管が詰まってしまうのです。 卵管は卵巣から排卵する卵子と、膣・子宮腔から来る精子と出会う場所です。 そこが完全に詰まれば受精できません。 その場合、体外受精した受精卵を子宮に移植することになるのですが、何回移植しても妊娠しない着床障害となることがあります。 炎症等により、卵管に水がたまる卵管留水腫を発症すると、体外受精の成功率が悪いのです。 そして、その卵管を切除すると、成功率が良くなるのです。 問題は、卵管留水腫があると、なぜ受精卵が子宮内で育ちにくいのかということです。 諸説ありますが、いまだ不明です。免疫学的に考えれば、卵管に水がたまっていることが問題ではなく、そこが 「強い炎症状態」 になっており、炎症性の物質が多量に産生され、その炎症性の物質が、血液循環により子宮内に到達して、半分異物である受精卵に障害を与えると考えられるのです。 ただ、実際問題として、経腟超音波検査では、卵管留水腫がなかなか見つけられません。 その場合、血液中に炎症性物質が多量にあれば、その状態を問題として、その炎症性物質を抑える治療が有効になる可能性が高いのです。