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516.着床障害と卵管留水腫と炎症

不妊症の大きな原因に卵管閉鎖があります。
クラミジアなどのよる炎症が原因で、
卵管が詰まってしまうのです。

卵管は卵巣から排卵する卵子と、
膣・子宮腔から来る精子と出会う場所です。

そこが完全に詰まれば受精できません。


その場合、体外受精した受精卵を
子宮に移植することになるのですが、
何回移植しても妊娠しない着床障害
となることがあります。


炎症等により、
卵管に水がたまる卵管留水腫
を発症すると、
体外受精の成功率が悪いのです。

そして、
その卵管を切除すると、
成功率が良くなるのです。


問題は、
卵管留水腫があると、
なぜ受精卵が子宮内で育ちにくいのか
ということです。

諸説ありますが、いまだ不明です。
免疫学的に考えれば、
卵管に水がたまっていることが
問題ではなく、

そこが 「強い炎症状態」 になっており、
炎症性の物質が
多量に産生され、

その炎症性の物質が、
血液循環により子宮内に到達して、
半分異物である受精卵に障害を与える
と考えられるのです。

ただ、実際問題として、
経腟超音波検査では、
卵管留水腫が
なかなか見つけられません。

その場合、
血液中に
炎症性物質が多量にあれば、
その状態を問題として、
その炎症性物質を抑える治療が
有効になる可能性が高いのです。

最終更新日: 2021年08月25日 13:25