子宮内膜液の遺伝子検査により、子宮内にも細菌叢があり、その多くが乳酸菌のラクトバチルスであったとのことです。 ヒトの体にはヒトの細胞と同じくらいの細菌が住んでいるらしく、ほとんどが善玉菌(乳酸菌)です。 35人の不妊症患者さんの検査で、子宮内膜液中のラクトバチルス細菌叢が90%以下の場合、胚移植の成功率が低下したということが報告されています。(Am J Obstet Gynecol 2016) この結果から、ラクトバチルスという乳酸菌の子宮内の低下が妊娠維持に関係しているらしいのですが、ヨーグルトのような発酵乳製品を食べれば効果があるのかどうか? 抗生物質はどうなのか? また、本当に、ラクトバチルスの減少が原因なのかどうか?は、まったく不明のままです。 しかし、乳酸菌は、免疫系を調節する作用を持っていますので、乳酸菌が一部の方に効果があるのかもしれません。 ブログNo.528に書いてあるように、「無菌性炎症」 も含めた子宮内の炎症状態が胚移植不成功と、流産の原因のひとつです。 そうであるならば、いろいろな免疫系を検査して、その異常を治療することが、成功への近道であると考えられます。 免疫系は、精神・神経系の心理面からも影響されますので、心のバランスも非常に大切です。