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アスピリン

原因不明の不育症にアスピリン治療は効果がないばかりでなく、出血が起こりやすくなるため、かえって危険です、というお話です。また、アスピリン・ジレンマもあり、服用量にも注意が必要です、というお話です。

不育症と着床障害の治療のなかで、
バイアスピリンとバッファリンが
よく使われています。

同じ少量アスピリンですが、
バイアスピリンはアスピリンが100mg、
バッファリンは81mg含まれています。


両者の違いは、
量だけではなく、
溶ける場所が違います。

バイアスピリンは腸溶錠ですから、
主に腸で溶けますが、
バッファリンは主に胃で溶けますから、
胃に刺激性があります。

両者とも消化管出血、
消化管潰瘍等の副作用があり、
消化管を荒らしやすく、
出血しやすくなります。

子宮内の血栓が原因と疑われた場合、
パイアスピリン(バファリン)治療が
一般的ですが、

副作用として、
妊娠中に性器出血しやすいです。

私の経験では10人中1~2ぐらい
出血しています。

ただ、ほとんどの方は、
茶おり程度の出血で、
全く問題ありませんが、

目安として生理の2日目ぐらいの
多い量の場合は、
いったんパイアスピリンを飲むことを
中止したほうが良いと考えています。

バイアスピリンは中止しても、
血栓予防効果が完全になくなるまで、
約1週間あります。


ましてや、
妊娠中に大きな絨毛膜下血種ができたら、
迷わず、中止です。

飲み続けると、すごく危険です。


バイアスピリン(バファリン)治療は、
絨毛膜下血種を起こしやすいです。

ブログNo.525にも書きましたが、
低用量アスピリン
(バファリン、バイアスピリン等)は、
血液をサラサラにするお薬です。

必要かどうかわからないのに服用すると、

副作用として、
血が止まりにくくなるため、
後悔することもあります。

妊娠初期によくある少量出血が
大量出血となり、
あるいは絨毛膜下血腫となり、
自然流産してしまうことも
あるのです。


よくあるご相談のなかで、

「妊娠初期の少量出血のときに
バファリンを中止していれば
血腫にならずにすんだのではないか?」

と、悩まれている方がいらっしゃいます。


アスピリンは血小板にくっついたら
離れませんので、
一時服用を止めても、
血小板の寿命の約一週間は
効果がなくなるわけではありません。

原因がわからないまま、
不育症・着床障害の治療として、
低用量アスピリン
(バファリン、バイアスピリン等)が
時々処方されています。

なんとか妊娠維持してほしい気持ちは
よくわかりますが、

9件の臨床研究(対象1228名)を
まとめた国際論文(2014年)では、
原因不明の不育症には、
低用量アスピリンは 「効果なし」 でした。


低用量アスピリン治療は
1錠を飲むだけですから、
抵抗感はありませんが、

抗リン脂質抗体陽性か、
血栓性素因がないかぎり、
治療効果がないだけではなく、

副作用として、
出血のリスク(血腫等)がありますので、
十分注意してください。


詳しくは、
「抗リン脂質抗体症候群合併妊娠の
診療ガイドライン」
2016年、南山堂
を参照してください。
私もパネリストとして参加しました。

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