2018年の12月に先行研究(対象は約80人)の途中結果が報告されましたが、2020年1月から、日本産婦人科学会に体外受精施設として登録されている約610の施設のうち、参加希望により認可される予定の数十か所の施設による臨床研究(対象は少なくとも3500人)が開始されるようです。 移植前(着床前)の受精卵のすべての染色体に異常がないかどうかをスクリーニング(ふるい分け)する検査です。 以前、「着床前スクリーニング」と言われていたPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)が、妊娠率、流産率の向上に有益な検査であるかどうかを調べる臨床研究です。 対象となる患者様の選択の問題や、モザイク胚などの問題もあるため、本当に有効な検査かどうかは不明ですが、理論的には期待できる検査です。 今後、着床前の胚(受精卵)の全染色体(遺伝子の塊)検査である「PGT-A」の結果が正常な正常胚を移植しても、不成功ならば、その原因は、益々、子宮(子宮内環境)側の問題である可能性が考えられます。 子宮内環境としては、ストレスによる子宮血管収縮の問題や、胚を攻撃する同種免疫の問題、子宮血流に関係するホルモンや凝固の問題などがあります。