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抗リン脂質抗体

胎盤になる組織の血管に血栓を作ることによって、流産の原因になる自己抗体等の検査と治療についてのお話です。

不育症と着床障害の検査のなかで、
抗リン脂質抗体(約9種類)と、
プロテインS、第12凝固因子が、
よく調べられています。

異常値ならば、胚、胎児のまわりに
血栓ができやすく、
妊娠の継続ができにくくなるのです。


どこまで調べる必要があるのか、
治療はどうするのかは、
担当医師の専門知識と治療経験により、
また、患者様の状況と希望により、
実際は、まちまちです。


また、検査値の異常のレベルによって、
治療方法が違ってきます。


一般的には、
抗リン脂質抗体が弱~中程度陽性、
プロテインS、第12凝固因子が弱低値ならば、
まずは、アスピリン単独治療がお勧めです。

胚への栄養血管であるラセン動脈に
血栓を作ってしまうことにより、
流産・死産の原因となる
抗リン脂質抗体の有無
についての検査があります。

世界的に認められている
抗リン脂質抗体症候群の
分類基準(2006年)に
抗カルジオリピン抗体IgM の検査は
含まれていますが、

現在、日本の保険未収載のため、
保険の検査では検査できません。

自費で検査するしかありません。


また、近年、
ループスアンチコアグラントと
強い相関を示す抗体として、
抗PS・プロトロンビン抗体
が注目されており、

単独陽性例においても、
血栓症や産科合併症を
合併する場合があることが
報告されています。
(J Immunol Res, 2015)


残念ながら、
抗PS・プロトロンビン抗体も
保険未収載のため、
自費の検査となってしまいます。

免疫というと、たぶん抵抗力と考えませんか。

抵抗力と考えていいのですが、
もう少し、詳しく言うと、
免疫とは、
自分以外の異物に対して、攻撃して排除する
体の防衛システムのことです。
免疫を担う免疫細胞は、白血球の仲間であり、
体の骨髄で作られています。
骨髄とは、すべての骨の内部の空洞にある
どろどろした液体のことです。

ここで強調したいことは、
免疫とは
自分以外のものに対して攻撃するのですが、
自分という識別は、
自分の細胞表面の標識を識別して、
それ以外は
自分ではないと判断するという事実です。

フランケンシュタインの場合を考えてください。
中枢神経系のかたまりである頭と
大きな体をくっつけたわけですが、
この場合、
自分とは頭か体か、わかりますか。

実は、骨髄が多くある
体が自分になります。
ですから、実際には、

体 が 頭 を 拒 絶 して排除するのです。


ここで、妊娠した場合の、
子宮のなかの赤ちゃんについて

免 疫 的 に考えてみてください。

赤ちゃんは、

半 分 が 自 分 であり、

半 分 が 旦 那 さ ん なのです。

ですから、赤ちゃんは、妊婦さんからみて、
免疫的によく似ていますが、もちろん、自分ではないのです。


妊娠がうまく維持するためには、
免疫的に、この

あ  い  ま  い  さ 

が極めて大切なのです。


妊婦さんが子宮内の赤ちゃんに対して、
その半分の自分の部分に、間違って反応してしまうと、
自己免疫異常になります。

その一部には、
自分の凝固系のたんぱく質等にも反応してしまう、
いわゆる、

抗 リ ン 脂 質 抗 体

という自己抗体があるのです。


また、半分の旦那さんの部分に対して、
強く反応してしまうと、
拒絶して排除してしまいます。
この反応のひとつに、

ナ チ ュ ラ ル キ ラ ー 細 胞 

の異常活性があるのです。

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