約40年間、日々、不育症の方と接して、人の運命を痛切に感じています。 一例ですが、ご夫婦ともドクターで、ご夫婦とも染色体検査は正常であるのもかかわらず、何回も、妊娠中期に子宮内胎児死亡を経験されていました。 当院でも可能性のある治療はすべてしましたが、残念な結果に終わってしまいました。 死産児の運命を知るために、普通の染色体検査ではなく、染色体の微小欠失や微小重複まで検出できるマイクロアレイ検査をした結果、微小染色体の不均衡が判明しました。 子宮の中だけで生きられる数か月間の命だったのです。 運命的な出来事だったのです。 夫婦どちらかの微小染色体の均衡転座が原因である可能性をお話ししましたが、検査はされませんでした。 きっと、ご夫婦は運命を呪ったことと思います。 運命は変えられませんが、これからのご夫婦の生き方は変えられます。 死産した子供たちのためにも、運命に負けないようお祈りしています。