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当院の不育症・着床障害の検査・治療の特徴

ストレス

当院では、院長と精神科専門医、心理士等との共同研究(約10年間)の結果に基づき、不育症・着床障害に関する心理分析を行っています。その分析結果により妊娠前、移植前から妊娠初期の期間、特徴的な生活指導と必要ならば薬物治療も行っています。

免疫

約40年間、不育症と妊娠初期の免疫を中心に研究活動してきましたので、費用と効果の観点から根本的な免疫検査とわかりやすい説明ができます。

たとえばTh1/Th2よりさらに核心的なTNFαを検査します。妊娠の同種免疫は、移植の免疫と違って、拒絶だけではなく生着反応も担っていますので、拒絶と生着両面の免疫検査に基づき治療しています。過剰な免疫抑制は効果がないと考えています。

子宮内膜炎

子宮内膜の細菌培養検査や形質細胞(CD138)の有無の検査は、感染性の子宮内膜炎の検査として有用ですが、子宮内膜の炎症は感染由来だけではなく、無菌性にも起こります。

子宮内膜の炎症状態が強いと、妊娠維持のための免疫機構が破綻しますから、それが本質的な原因なのです。

当院では、子宮内細菌叢検査の子宮内フローラ、EMMA、ALICEの検査は高額であり間接的な原因の可能性と考えていますので、より直接的な原因である子宮内の免疫状態の検査をお勧めしています。

凝固・自己抗体

凝固・自己抗体の検査の種類は20以上ありますので、費用と効果を考えて、現在世界的に多く支持されている検査を行っています。

例えばプロテインC抗原・活性は臨床的にまったく必要ないと考えています。また、その治療法も、多くの例でヘパリン治療は必要なく、アスピリン単独治療で十分であると考えています。

甲状腺

甲状腺検査は基本的に重要です。2017年の米国甲状腺学会のガイドラインでは、妊娠時の甲状腺機能への対応が示されています。妊娠前から新陳代謝を調節する甲状腺機能を高めておき、妊娠初期にはさらに高めることが妊娠継続に良いようです。

当院では、こまめに検査して、多くの場合、お電話でお薬の服用量をお話ししています。また、同時に生活指導も行っています。

プロラクチン

プロラクチンは母乳分泌に関与しているホルモンですが、ストレスホルモン、愛情ホルモンとも言われており、精神的な影響により分泌過多になります。

検査は排卵障害の不妊症の検査としては、1回の採血だけで十分ですが、当院では精度の高い負荷試験で検査しています。なぜならば、微量な高値であっても、免疫、卵巣機能には不利になるからです。

治療は原則、妊娠初期まで行います。

染色体

夫婦の染色体検査は特殊な場合を除いて、検査をお勧めしていません。

なぜならば、高額な検査であり、治療できるわけでもなく、異常であっても臨床的には約20~50%の必然的流産率であるからです。

それよりも、仮に今後流産されたならば、流産内容物の染色体検査を強くお勧めしています。

異常であれば、運命を全うした赤ちゃん(神様の領域)であったとわかります。正常であれば、子宮環境に問題があったとわかります。その場合は、子宮環境の原因を見つけて治療しないと、また流産を繰り返す確率が非常に高くなります。

子宮奇形

子宮卵管造影検査は子宮の奇形の有無を検査しますが、検査が苦痛です。検査しても奇形の頻度は低く、奇形があっても多くの場合、手術の有効性はほとんどないので、特殊な場合を除いてお勧めしていません。

当院における自然妊娠による不育症の治療成績

図6は、体外受精による妊娠ではなく、自然妊娠による不育症患者さんの、過去の流産回数別の当院での12年間の治療成績です。
対照は、1980年と1981年に、名古屋市立大学産婦人科を受診された、すべての患者さんの過去の流産回数別の出産率です。
1981年までは、世界的に不育症を専門的に治療することがなかったので、この対照データは本当の無治療例として非常に貴重なのです。なお、この調査値は統計的手法(非線形回帰)によっても、その妥当性が裏付けられています。

図6 不育症の治療成績(自然妊娠の場合)



当院における着床障害の治療成績

本来、当院は妊娠ごく初期の不安定な子宮内環境の異常を見つけ、治療する専門クリニックとして2008年に開業しました。
当初は自然妊娠による不育症患者さんが圧倒的に多かったのです。10年ぐらい前より、体外受精による良好胚を5回以上移植しても妊娠されないか、流産してしまう患者さんが増加して、現在では半数以上が着床障害の患者さんです。

体外受精施設では、良好胚を体外で育てることが主な仕事ですが、移植されてからは、体内(子宮)で育てなければなりません。

当院は子宮内環境の専門クリニックです。図7は、過去の移植回数別の当院での12年間の治療による妊娠継続成功率です。全体として、1回の移植あたりの妊娠継続成功率は約24%でした。良好胚の染色体異常率が約70%と推定されますので、納得のできる成績と考えています。

図7 着床障害の治療成績

最終更新日: 2021年10月25日 10:21

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