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(7). 最後にひと言

不育症の治療はご夫婦で命の意味を考えること

 1950年代に発表された世界で最初の不育症の研究は、流産を重ねて精神的にダメージを受けた女性のケアを目的にしたものでした。ストレスのことは数値化がむずかしく成果がわかりにくいため、現在は遺伝や免疫の観点からの研究が主流です。しかし、実際に何度も流産、死産を繰り返して精神的に苦しんでいるご夫婦がたくさんいるのですから、心理的な治療にもっと注目してもいいと思うのです。私は、傷ついた心の修復を少しでもできれば、という思いで治療にあたっています。

 不育症の場合、理想的と思われる治療をしても成功率は1回の妊娠につき年齢により約60~90%。残りの10~40%は運命(胎児の偶然的染色体異常)というのでしょうか、それを受け入れる覚悟が大事です。物の見方を変えると気持ちに余裕が生まれ、次に向かう勇気が湧いてきます。力を合わせて治療にとり組む過程が、ご夫婦にとって意味あるものと確信しています。
最終更新日: 2018年11月19日 21:14